IRC 横浜国立大学 学際プロジェクト研究センター / Yokohama National University, Interdisciplinary Research Center

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 和仁 良二 Ryoji WANI

   職名:特任教員(助教) 平成23年度から環境情報研究院准教授
   専門:古生物学,古生態学

■研究テーマと概要■
 

 現在の地球には数百万種ともいわれる多様な生物が生息しています.このように多様な生物は,どのようにして地球上に誕生し,どのように進化してきたのでしょうか.私は,過去の地球環境変動がその時生息していた生物にどのような影響を及ぼしてきたのか,ということを明らかにするため,過去の生物の直接的な証拠である化石の研究を進めています.研究の材料としておもに用いているのは,“アンモナイト”(図1a)と呼ばれる化石です.対数らせんに巻いた殻を持ち,今から約6500万年前に絶滅してしまった軟体動物の頭足類に分類される生物で,現在のイカやタコの仲間です.

 

 重点的に行っている研究は,以下の2つです.

テキストでの説明

図1.アンモナイト(a)とオウムガイ(b)

(1)過去の堆積物から化石を掘り出し,古生態や進化を解析する.


 アンモナイトの化石は世界各地から産出します.その中でも特に北海道,アメリカ,インドに分布する白亜紀後期(約1億年前〜約6500万年前)の地層から得られたアンモナイトを材料として,過去の地球環境変動とアンモナイトの古生態や進化との関連を明らかにしようと研究を進めています.
 野外調査を行い過去の堆積物からアンモナイトを採取するとともに(図2),どのように地層に保存されているのかを克明に記録します.得られた化石標本の殻形態の解析結果などと総合的に解釈し,古生態や進化の理解を目指します.

テキストでの説明

図2. インドでのアンモナイト発掘の様子

(2)現在生きている生物の生態を理解し,絶滅生物の古生態の理解に応用する.


 アンモナイトとほとんど同じ殻構造を持ち現在生きている頭足類の仲間として,“オウムガイ” (図1b)という生物がいます.アンモナイトの古生態を理解する際に,頻繁にオウムガイの生態と比較されます.しかし,水深100〜500mほどの深い海に生息するオウムガイの生態にはまだ多くの謎が残っています.アンモナイトの古生態を詳細に理解するためにも,現在生きているオウムガイの生態をさらに詳しく調べる必要があります.
 そこで,私はおもにフィリピンの海に生息するオウムガイの殻を用いて,現地での生態調査や各種の野外実験,地球化学的分析などを行っています(図3).

テキストでの説明

図3. 実験に用いるオウムガイの殻

■主な公表論文■

  1. Wani, R., Kase, T., Shigeta, Y. and De Ocampo, R., 2005, New look at ammonoid taphonomy, based on field experiments with modern chambered nautilus. Geology, 33: 849-852.
  2. Wani, R. and Ikeda, H., 2006, Planispiral cephalopod shells as a sensitive indicator of modern and ancient bottom currents: New data from flow experiments with modern Nautilus pompilius. Palaios, 21: 289-297.
  3. Wani, R., 2006, The peculiar taphonomy of the streamlined late Campanian ammonite Metaplacenticeras subtilistriatum from northern Hokkaido, Japan. Cretaceous Research, 27: 863-871.
  4. Wani, R., 2007, Differential preservation of the Upper Cretaceous ammonoid Anagaudryceras limatum with corrugated shell in central Hokkaido, Japan. Acta Palaeontologica Polonica, 52: 77-84.
  5. Wani, R., 2007, How to recognize in situ fossil cephalopods: evidence from experiments with modern Nautilus. Lethaia, 40: 305-311.